夏目漱石「こころ」第051回(中 十五)

「中 両親と私 十五」
「先生先生というのは一体誰(だれ)の事だい」と兄が聞いた。
「こないだ話したじゃないか」と私(わたくし)は答えた。私は自分で質問をしておきながら、すぐ他(ひと)の説明を忘れてしまう兄に対して不快の念を起した。「聞いた事は聞いたけれども」 兄は必竟(ひっきょう)聞いても解(わか)らないというのであった。私から見ればなにも無理に先生を兄に理解してもらう必要はなかった。けれども腹は立った。また例の兄らしい所が出て来たと思った…。 夏目漱石の「こころ」連続読み第51回。上中下の「中 両親と私」の章の第15回である。
(5:26) Soseki Natsume "KOKORO"#51
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こころ 著者:夏目 漱石 |
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