サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」15

むっつめの星は、なん十ばいもひろい星だった。ぶあつい本をいくつも書いている、おじいさんのすまいだった。
「おや、たんけん家じゃな。」王子くんが見えるなり、そのひとは大ごえをあげた。
王子くんは、つくえの上にこしかけて、ちょっといきをついた。もうそれだけたびをしたんだ!
「どこから来たね?」と、おじいさんはいった。
「なあに、そのぶあつい本?」と王子くんはいった。「ここでなにしてるの?」
「わしは、ちりのはかせじゃ。」と、おじいさんはいった。
「なあに、そのちりのはかせっていうのは?」
「ふむ、海、川、町、山、さばくのあるところをよくしっとる、もの知りのことじゃ。」
「けっこうおもしろそう。」と王子くんはいった。「やっと、ほんもののしごとに出あえた!」それからその子は、はかせの星をぐるりと見た。こんなにもでんとした星は、見たことがなかった。
「とってもみごとですね、あなたの星は。大うなばらは、あるの?」
「まったくもってわからん。」と、はかせはいった…
(9:31) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #15

※テキストとイラストは、上記で御覧になれます。
翻訳を無料で公開して下さっている大久保ゆうさんに敬意を表します。ありがとうございます。
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| 星の王子さま
著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ |
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