夏目漱石「こころ」第065回(下十一)

「下 先生と遺書 十一」
私は早速(さっそく)その家へ引き移りました。私は最初来た時に未亡人と話をした座敷を借りたのです。そこは宅中(うちじゅう)で一番好(い)い室(へや)でした。本郷辺(ほんごうへん)に高等下宿といった風(ふう)の家がぽつぽつ建てられた時分の事ですから、私は書生として占領し得る最も好い間(ま)の様子を心得ていました。私の新しく主人となった室は、それらよりもずっと立派でした。移った当座は、学生としての私には過ぎるくらいに思われたのです…。
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夏目漱石の「こころ」連続読み第65回。上中下の「下 先生と遺書」の章#11(全110回)
(6:07) Soseki Natsume "KOKORO"#65
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こころ 著者:夏目 漱石 |
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