夏目漱石「こころ」第067回(下十三)

「下 先生と遺書 十三」
奥さんのこの態度が自然私の気分に影響して来ました。しばらくするうちに、私の眼はもとほどきょろ付かなくなりました。自分の心が自分の坐(すわ)っている所に、ちゃんと落ち付いているような気にもなれました。要するに奥さん始め家(うち)のものが、僻(ひが)んだ私の眼や疑い深い私の様子に、てんから取り合わなかったのが、私に大きな幸福を与えたのでしょう。私の神経は相手から照り返して来る反射のないために段々静まりました…。
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夏目漱石の「こころ」連続読み第67回。上中下の「下 先生と遺書」の章#13(全110回)
(5:50) Soseki Natsume "KOKORO"#67
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こころ 著者:夏目 漱石 |
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