夏目漱石「こころ」第072回(下十八)

「下 先生と遺書 十八」
私は宅(うち)へ帰って奥さんとお嬢さんにその話をしました。奥さんは笑いました。しかし定めて迷惑だろうといって私の顔を見ました。私はその時腹のなかで、男はこんな風(ふう)にして、女から気を引いて見られるのかと思いました。奥さんの眼は充分私にそう思わせるだけの意味をもっていたのです。私はその時自分の考えている通りを直截(ちょくせつ)に打ち明けてしまえば好かったかも知れません…。
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夏目漱石の「こころ」連続読み第72回。上中下の「下 先生と遺書」の章#18(全110回)
(5:46) Soseki Natsume "KOKORO"#72
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こころ 著者:夏目 漱石 |
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