2006年7月 3日 (月)

竹内浩三43.7.17速達、44.7.17筑波日記

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世の中は戦争をしています。

なんだか衝撃的な一文だ。

43年の速達と、44年の筑波日記を読んでみました。


竹内浩三紹介サイト(伊勢の森さん作成)」で詩が読めます。




戦死やあわれ

Book
戦死やあわれ

著者:竹内 浩三

販売元:岩波書店

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2006年6月17日 (土)

竹内浩三「白い雲」「手紙」

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2006.6.11朝、大切な友人が事故で亡くなった。その衝撃は大きく、しばらく朗読をお休みした。この朗読は、実は、6.13に収録したものだ。戦争の時代の死と、今の死に違いはない。突然の訃報であった。ついさっきまで、語り合っていた友がいない。つらい中で録音をしてみたものだ。僕の持論でもあるが、本当に悲しい時には、悲しいようには読まないものだ。ただ、たんたんと読んでいる。でも明るくは読めなかったな。少し、戦争の時代を垣間みた気がした。もちろん、戦争の時代は、もっと悲惨だったのだろうと思うけど。内埜則之、安らかに眠ってくれ。 明日は、朗読の日の朗読だ。竹内浩三を読む。
(5:32)

白い雲

満州と云うと
やっぱし遠いところ
乾いた砂が たいらかに
どこまでもつづいて
壁の家があったりする

そのどこかの町の白い病院に
熱で干いた唇が
枯草のように
音もなく
山田のことばで
いきをしていたのか

ゆでたまごのように
あつくなった眼と
天井の
ちょうど中ごろに
活動写真のフィルムのように
山田の景色がながれていたのか

あゝその眼に
黒いカーテンが下り
その唇に
うごかない花びらが
まいおちたのか
楽譜のまいおちる
けはいにもにて

白い雲が
秋の空に
音もなく
とけて
ゆくように

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戦死やあわれ

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戦死やあわれ

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2006年5月15日 (月)

竹内浩三「骨のうたう(オリジナル)」

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1942.8.3、入隊二ヶ月前に浩三が書いた詩。21才であった。骨のうたうは、一般に知られているものは、補作されたものである。彼の親友が手を加えた版が世に広まった。そして、こちらが、竹内浩三が伊勢文学という自分達で編纂発表した冊子に掲載したオリジナルである。より、骨として帰ってきた事がよくわかる。最初に僕がこの詩にふれた時は、「ひょうんと人死ぬ」その表現に心をつかまれた。なので、白い箱にて故国を眺める・・・あたりからは、そんなに印象に残っていなかった。今回、あらためてオリジナル版を読んで残ったのは、「骨」となって戻って来る方の描写である。最後、「骨はなんにもなしになった」で終わる。イタイ。そして、この詩を浩三は、入隊前に書いている事を知り、がさらに驚かされるのである。
(2:46)

戦死やあはれ
兵隊の死ぬるやあはれ
とほい他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと消ゆるや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や

苔いぢらしや あはれや兵隊の死ぬるや
こらへきれないさびしさや
なかず 咆えず ひたすら 銃を持つ
白い箱にて 故国をながめる
音もなく なにもない 骨
帰っては きましたけれど
故国の人のよそよそしさや
自分の事務や女のみだしなみが大切で
骨を愛する人もなし
骨は骨として 勲章をもらひ
高く崇められ ほまれは高し
なれど 骨は骨 骨はききたかった
絶大な愛情のひびきをききたかった
それはなかった
がらがらどんどん事務と常識が流れていた
骨は骨として崇められた
骨は チンチン音を立てて粉になった

ああ 戦死やあはれ
故国の風は 骨を吹きとばした
故国は発展にいそがしかった
女は 化粧にいそがしかった
なんにもないところで
骨は なんにもなしになった

(『伊勢文学』第八号)

竹内浩三紹介サイト(伊勢の森さん作成)」で詩が読めます。




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2006年3月23日 (木)

竹内浩三「愚の旗」

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人は、彼のことを神童とよんだ/小学校の先生のとけない算術の問題を一年生の彼が即座にといてのけた/先生は自分が白痴になりたくなかったので/彼を神童と云うことにした/人は、彼を詩人とよんだ/彼は、行をかえて文章をかくのを好んだからであった …

昨年作成した朗読CDに収録したものの再編集バージョンです。(3:54)
彼の自伝的な詩。彼の詩には未来の事にふれているものが多い。有名な「骨のうたう」も戦争に行く前に書いた戦争から骨となって帰って来た者の目線でかかれている。この愚の旗も彼の事と思われるが、結婚し、子供が生まれ(しかもその子は、自分と違う道を歩む)、古本屋を営むことがかかれている。
※文中に出てくる「シロギスモス」とは、三段論法の意。ドイツ語。Syllogismus(成星出版「愚の旗」より)
Kozo Takeuchi "Gu no Hata"

彼の詩は、伊勢の森さんのホームページで読めます。



戦死やあわれ

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戦死やあわれ

著者:竹内 浩三

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2006年3月18日 (土)

竹内浩三「涙も出ずに」

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浩三さんの詩は情景が豊かなものが多い。これも情景が目に浮かぶ詩です。(1:18)

「涙も出ずに」  竹内浩三

踏切のシグナルが 一月の雨にぬれて
ぼくは 上りの終列車を見て
柄もりの水が手につめたく
かなしいような気になって
泣きたいような気になって
わびしいような気になって
それでも 溜息も涙も出ず
ちょうど 風船玉がかなしんだみたい

自分が世界で一番不実な男のような気がし
自分が世界で一番いくじなしのような気がし
それに それがすこしも恥しいと思えず
とほうにくれて雨足を見たら
いくぶんセンチメンタルになって
涙でも出るだろう
そしたらすこしはたのしいだろうが
その涙すら出ず
こまりました
こまりました

Kozo Takeuchi "Namida mo dezuni"



戦死やあわれ

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著者:竹内 浩三

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2006年3月 4日 (土)

竹内浩三「雨」

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僕はちんがちんと歩いた・・・僕の大好きなフレーズ。昨年作成した朗読CDに収録したものの再編集バージョンです。(1:15)

「雨」  竹内浩三

さいげんなく
ざんござんごと
雨がふる
まっくらな空から
ざんござんごと
おしよせてくる

ぼくは
傘もないし
お金もない
雨にまけまいとして
がちんがちんと
あるいた

お金をつかうことは
にぎやかだからすきだ
ものをたべることは
にぎやかだからすきだ
ぼくは にぎやかなことがすきだ

さいげんなく ざんござんごと
雨がふる
ぼくは 傘もないし お金もない
きものはぬれて
さぶいけれど
誰もかまってくれない
ぼくは一人で
がちんがちんとあるいた
あるいた

Kozo Takeuchi "Rain"



詞人から詩人へ

Book
詞人から詩人へ(僕が竹内浩三に出逢った本です)

著者:宮沢 和史

販売元:河出書房新社

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2006年2月22日 (水)

竹内浩三「五月のように」

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ボクの20回目の誕生日の日、これをボクのために
そしてボクのいい友だちのためにつくる


なんのために
ともかく 生きている
ともかく

どう生きるべきか
それは どえらい問題だ
それを一生考え 考えぬいてもはじまらん
考えれば 考えるほど理屈が多くなりこまる

こまる前に 次のことばを知ると得だ
歓喜して生きよ ヴィヴェ・ジョアイユウ
理屈を云う前に ヴィヴェ・ジョアイユウ
信ずることは めでたい
真を知りたければ信ぜよ
そこに真はいつでもある

弱い人よ
ボクも人一倍弱い
信を忘れ
そしてかなしくなる

信を忘れると
自分が空中にうき上がって
きわめてかなしい
信じよう
わけなしに信じよう
わるいことをすると
自分が一番かなしくなる
だから
誰でもいいことをしたがっている
でも 弱いので
ああ 弱いので
ついつい わるいことをしてしまう
すると たまらない
まったくたまらない

自分がかわいそうになって
えんえんと泣いてみるが
それもうそのような気がして
あゝ 神さん
ひとを信じよう
ひとを愛しよう
そしていいことをうんとしよう

青空のように
五月のように
みんなが
みんなで
愉快に生きよう


Kozo Takeuchi "gogatsu no youni"
(2:29)




戦死やあわれ

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戦死やあわれ

著者:竹内 浩三

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2006年2月15日 (水)

竹内浩三「金がきたら」

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Podfeed Rnaking 50位以内到達記念。竹内浩三の詩の朗読。彼のユーモラスな詩を紹介。彼はお金があると使ってしまう人だった。映画を見て、喫茶店に行って、レコードを買い、友人達におごり、あっという間に金がなくなる。そして実家に仕送りをねだる。何だ今の大学生と変わらないじゃないかと思うが、彼が生きたのは、昭和初期。戦争の時代である。それがすごいと思うのだ。あの戦争の時代、映画監督になりたかった浩三。江古田の日大校舎に通っていたらしい。中野、高円寺、銀座なども彼の文中によく出てくる。
Kozo Takeuchi "Kane ga kitara"
(1:30)



ぼくもいくさに征くのだけれど?竹内浩三の詩と死

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ぼくもいくさに征くのだけれど?竹内浩三の詩と死

著者:稲泉 連

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2006年2月14日 (火)

竹内浩三「骨のうたう」

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Podfeed Rnaking 48位! 50位以内到達記念。竹内浩三の詩の朗読。竹内浩三が知られるきっかけとなった詩「骨のうたう」・・・この詩の朗読から佐々木健の朗読はスタートしました。彼が戦争に行く前に、書いた詩である。その先を見通す目は、現代人の我々をもあっと思わせる。そして、戦争という時代。誰もがお国のためと言って戦った時代。現代人の我々よりも自由に生きようとした浩三。1942.8.3作。浩三21歳。出征一年前に書かれた詩である。
Kozo Takeuchi "hone no utau"
(2:21)


骨のうたう


戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ
遠い他国で ひょんと死ぬるや
だまって だれもいないところで
ひょんと死ぬるや
ふるさとの風や
こいびとの眼や
ひょんと消ゆるや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や


白い箱にて 故国をながめる
音もなく なんにもなく
帰っては きましたけれど
故国の人のよそよそしさや
自分の事務や女のみだしなみが大切で
骨は骨 骨を愛する人もなし
骨は骨として 勲章をもらい
高く崇められ ほまれは高し
なれど 骨はききたかった
絶大な愛情のひびきをききたかった
がらがらどんどんと事務と常識が流れ
故国は発展にいそがしかった
女は 化粧にいそがしかった


ああ 戦死やあわれ
兵隊の死ぬるや あわれ
こらえきれないさびしさや
国のため
大君のため
死んでしまうや
その心や



ぼくもいくさに征くのだけれど?竹内浩三の詩と死

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ぼくもいくさに征くのだけれど?竹内浩三の詩と死

著者:稲泉 連

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