芥川龍之介「鼻」下

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長い鼻に悩む内供は、弟子の僧に言われるまま鼻を熱し、踏んでもらった…しばらくすると、やがて粟つぶのようなものが、鼻へ出来はじめた。 これをケヌキでぬけと申す事でござった。— 人間の心には互に矛盾した二つの感情がある。勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。ところがその人がその不幸を、どうにかして切り抜ける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする。少し誇張して云えば、もう一度その人を、同じ不幸に陥れて見たいような気にさえなる。…人の奥底にある感情に焦点をあてた芥川龍之介の初期の出世作である。

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![]() | 羅生門・鼻 著者:芥川 龍之介 |
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