2006年12月11日 (月)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」エピローグ

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これは、ぼくにとって、せかいでいちばんきれいで、いちばんせつないけしきです。さっきのページのものと、おなじけしきなんですが、きみたちによく見てもらいたいから、もういちどかきます。あのときの王子くんが、ちじょうにあらわれたのは、ここ。それからきえたのも、ここ。
 しっかり、このけしきを見てください…。




(2:37) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #epilogue


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2006年12月 8日 (金)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」27

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今となっては、あれももう、六年前のこと。……ぼくは、このできごとを、いままでだれにもはなさなかった。ひこうきなかまは、ぼくのかおをみて、ぶじにかえってきたことをよろこんでくれた。ぼくは、せつなかったけど、あいつらには、こういった。「いやあ、こりごりだよ……」
 もう今では、ぼくのこころも、ちょっといえている。その、つまり……まったくってわけじゃない。でも、ぼくにはよくわかっている。あの子は、じぶんの星にかえったんだ。だって…。
(5:14) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #27


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2006年12月 6日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」26

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井戸のそばに、こわれた古い石のかべがあった。つぎの日の夕がた、ぼくがやることをやってもどってくると、とおくのほうに、王子くんがそのかべの上にすわって、足をぶらんとさせているのが見えた。その子のはなしごえもきこえてくる。
「じゃあ、きみはおぼえてないの?」と、その子はいった。「ちがうって、ここは!」
 その子のことばに、なにかがへんじをしているみたいだった。
「そうだけど! そう、きょうなんだけど、ちがうんだって、ここじゃないんだ……」
 ぼくは、かべのほうへあるいていった。けれど、なにも見えないし、なにもきこえない。それでも、王子くんはまたことばをかえしていた…。
(18:04) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #26


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2006年11月17日 (金)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」25

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王子くんはいった。「ひとって、はやいきかんしゃにむちゅうだけど、じぶんのさがしものはわかってない。ということは、そわそわして、ぐるぐるまわってるだけ。」
 さらにつづける。
「そんなことしなくていいのに……」
 ぼくたちが行きあたった井戸は、どうもサハラさばくの井戸っぽくはなかった。さばくの井戸っていうのは、さばくのなかで、かんたんな穴がぽこっとあいてるだけ。ここにあるのは、どうも村の井戸っぽい。でも、村なんてどこにもないし、ぼくは、ゆめかとおもった…。
(8:47) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #25


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2006年11月 8日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」24

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おかしくなって、さばくに下りてから、八日め。ぼくは、ものうりの話をききながら、ほんの少しだけのこっていた水を、ぐいとのみほした。
「へえ!」と、ぼくは王子くんにいった。「たいへんけっこうな思いで話だけど、まだひこうきがなおってないし、もう、のむものもない。ぼくも、ゆっくりゆーっくり水くみ場にあるいていけると、うれしいんだけど!」
「友だちのキツネが……」と、その子がいったけど、
「いいかい、ぼうや。もうキツネの話をしてるばあいじゃないんだ!」
「どうして?」
「のどがからからだと、すぐにでも死んじゃうんだよ…。
(7:52) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #24


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2006年11月 1日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」23

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「こんにちは。」と、王子くんがいうと、
「こんにちは。」と、ものうりがいった。
 ものうりはクスリをうっていた。そのクスリは、のどのからからをおさえるようにできていて、一しゅうかんにひとつぶのめば、もう、のみたいっておもわなくなるんだ。
「どうして、そんなのをうるの?…。
(1:29) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #23


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2006年10月27日 (金)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」22

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「こんにちは。」と王子くんがいうと、
「こんにちは。」とポイントがかりがいった。
「ここでなにしてるの?」と王子くんがいうと、
「おきゃくを一〇〇〇にんずつわけてるんだ。」とポイントがかりがいった。「きかんしゃにおきゃくがのってて、そいつをおまえは右だ、おまえは左だって、やってくんだよ。」
すると、きかんしゃが、ぴかっ、びゅん、かみなりみたいに、ごろごろごろ。ポイントがかりのいるたてものがゆれた…。
(2:46) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #22


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2006年10月19日 (木)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」21

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キツネが出てきたのは、そのときだった。
「こんにちは。」とキツネがいった。
「こんにちは。」と王子くんはていねいにへんじをして、ふりかえったけど、なんにもいなかった。
「ここだよ。」と、こえがきこえる。「リンゴの木の下……」
「きみ、だれ?」と王子くんはいった。「とってもかわいいね……」
「おいら、キツネ。」とキツネはこたえた。
「こっちにきて、いっしょにあそぼうよ。」と王子くんがさそった。「ぼく、ひどくせつないんだ……」
「いっしょにはあそべない。」とキツネはいった。「おいら、きみになつけられてないもん…。
(14:20) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #21


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2006年10月 9日 (月)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」20

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さて、王子くんが、さばくを、岩山を、雪の上をこえて、ながながとあゆんでいくと、ようやく一本の道に行きついた。そして道をゆけば、すんなりひとのいるところへたどりつく。
「こんにちは。」と、その子はいった。
 そこは、バラの花がさきそろう庭《にわ》だった。
「こんにちは。」と、バラがいっせいにこたえた。
 王子くんは、たくさんのバラをながめた。みんな、その子の花にそっくりだった…。
(2:55) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #20


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2006年10月 4日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」19

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王子くんは、たかい山にのぼった。それまでその子の知っていた山といえば、たけがひざまでしかない火山がみっつだけ。しかも、きえた火山はこしかけにつかっていたくらいだ。だから、その子はこんなふうにかんがえた。『こんなにたかい山からなら、ひと目で、この星ぜんたいと、ひとみんなを見わたせるはず……』でも、見えたのは、するどくとがった岩山ばかりだった。
「こんにちは。」と、その子があてずっぽうにいうと、
「こんにちは……こんにちは……こんにちは……」と…
(2:06) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #19

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2006年9月27日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」18

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王子くんは、さばくをわたったけど、たった一りんの花に出くわしただけだった。花びらがみっつだけの花で、なんのとりえもない花……
「こんにちは。」と王子くんがいうと、
「こんにちは。」と花がいった。
「ひとはどこにいますか?」と、王子くんはていねいにたずねた。
 花は、いつだか、ぎょうれつがとおるのを見たことがあった…
(1:42) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #18

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2006年9月25日 (月)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」17

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うまくいおうとして、ちょっとウソをついてしまうってことがある。あかりつけのことも、ぜんぶありのままってわけじゃないんだ。そのせいで、なにも知らないひとに、ぼくらの星のことをへんにおしえてしまったかもしれない。ちきゅうのほんのちょっとしか、にんげんのものじゃない。ちきゅうにすんでる二〇おくのひとに、まっすぐ立ってもらって、集会みたいによりあつまってもらったら、わけもなく、たて三〇キロよこ三〇キロのひろばにおさまってしまう。太平洋でいちばんちっちゃい島にだって、入ってしまう数だ…
(5:44) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #17

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2006年9月20日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」16

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そんなわけで、ななつめの星は、ちきゅうだった。

 このちきゅうというのは、どこにでもある星なんかじゃない! かぞえてみると、王さまが(もちろん黒いかおの王さまも入れて)一一一にん、ちりのはかせが七〇〇〇にん、しごとにんげんが九〇まんにん、のんだくれが七五〇まんにん、みえっぱりが三おく一一〇〇まんにんで、あわせてだいたい二〇おくのおとなのひとがいる…
(2:35) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #15

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2006年9月13日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」15

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むっつめの星は、なん十ばいもひろい星だった。ぶあつい本をいくつも書いている、おじいさんのすまいだった。
「おや、たんけん家じゃな。」王子くんが見えるなり、そのひとは大ごえをあげた。
 王子くんは、つくえの上にこしかけて、ちょっといきをついた。もうそれだけたびをしたんだ!
「どこから来たね?」と、おじいさんはいった。
「なあに、そのぶあつい本?」と王子くんはいった。「ここでなにしてるの?」
「わしは、ちりのはかせじゃ。」と、おじいさんはいった。
「なあに、そのちりのはかせっていうのは?」
「ふむ、海、川、町、山、さばくのあるところをよくしっとる、もの知りのことじゃ。」
「けっこうおもしろそう。」と王子くんはいった。「やっと、ほんもののしごとに出あえた!」それからその子は、はかせの星をぐるりと見た。こんなにもでんとした星は、見たことがなかった。
「とってもみごとですね、あなたの星は。大うなばらは、あるの?」
「まったくもってわからん。」と、はかせはいった…
(9:31) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #15

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2006年9月 6日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」14

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いつつめの星は、すごくふしぎなところだった。ほかのどれよりも、ちいさかった。ほんのぎりぎり、あかりと、あかりつけの入るばしょがあるだけだった。王子くんは、どうやってもわからなかった。空のこんなばしょで、星に家もないし、人もいないのに、あかりとあかりつけがいて、なんのためになるんだろうか。それでも、その子は、心のなかでこうおもった。
『このひとは、ばかばかしいかもしれない。でも、王さま、みえっぱり、しごとにんげんやのんだくれなんかよりは、ばかばかしくない…
(6:21) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #14

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2006年8月30日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」13

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よっつめの星は、しごとにんげんのものだった。このひとは、とってもいそがしいので、王子くんが来たときも、かおを上げなかった。
「こんにちは。」と、その子はいった。「たばこの火、きえてるよ。」
「3+2=5。5+7=12。12+3=15。こんにちは。15+7=22。22+6=28。火をつけなおすひまなんてない。26+5=31。ふう。ごうけいが、5おく162まん2731。」
「なに、その5おくって。」
「ん? まだいたのか。5おく……もうわからん……やらなきゃいけないことがたくさんあるんだ! ちゃんとしてるんだ、わたしは。むだ口たたいてるひまはない!…
(6:16) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #13

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2006年8月23日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」12

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つぎの星は、のんだくれのすまいだった。ほんのちょっとよっただけなのに、王子くんは、ずいぶん気もちがおちこんでしまった。
「ここでなにしてるの?」王子くんは、のんだくれにいった。その子が見ると、その男は、からのビンひとそろい、なかみのはいったビンひとそろいをまえにして、だんまりすわっていた。
「のんでんだ。」と、のんだくれは、しょんぼりとこたえた。

(2:20) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #12

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2006年8月18日 (金)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」11

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ふたつめの星は、みえっぱりのすまいだった。
「ふふん! ファンのおでましか!」王子くんが見えるなり、みえっぱりはとおくから大ごえをあげた。
 というのも、みえっぱりにかかれば、だれもかれもみんなファンなんだ。
「こんにちは。」と王子くんはいった。「へんなぼうしだね。」
「あいさつできる。」と、みえっぱりはいう。

(3:38) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #11

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2006年8月 2日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」10

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その子は、しょうわくせい325、326、327、328、329や330のあたりまでやってきた。知らないこと、やるべきことを見つけに、とりあえずよってみることにした。
 さいしょのところは、王さまのすまいだった。王さまは、まっ赤なおりものとアーミンの白い毛がわをまとって、あっさりながらもでんとしたイスにこしかけていた…。

(11:09) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #10

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2006年7月24日 (月)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」9

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星から出るのに、その子はわたり鳥をつかったんだとおもう。出る日のあさ、じぶんの星のかたづけをした。火のついた火山のススを、ていねいにはらった。そこにはふたつ火のついた火山があって、あさごはんをあたためるのにちょうどよかった。それと火のきえた火山もひとつあったんだけど、その子がいうには「まんがいち!」のために、その火のきえた火山もおなじようにススをはらった…。

(5:02) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #9

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2006年7月13日 (木)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」8

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「バラ登場」ほどなくして、その花のことがどんどんわかっていった。それまでも、王子くんの星には、とてもつつましい花があった。花びらがひとまわりするだけの、ちっともばしょをとらない花だ。あさ、気がつくと草のなかから生えていて、夜にはなくなっている。でも、あの子のいった花はそれじゃなくて、ある日、どこからかタネがはこばれてきて、めを出したんだ。
バラは、やはり女性にやってもらいたいなぁ。今回は、僕読んじゃいましたけど・・・笑。

(7:05) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #8

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2006年7月 6日 (木)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」7

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五日め、またヒツジのおかげで、この王子くんにまつわるなぞが、ひとつあきらかになった。その子は、なんのまえおきもなく、いきなりきいてきたんだ。ずっとひとりで、うーんとなやんでいたことが、とけたみたいに。

「ヒツジがちいさな木を食べるんなら、花も食べるのかな?」

(7:22) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #7

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2006年6月30日 (金)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」6

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ねえ、王子くん。こんなふうに、ちょっとずつわかってきたんだ。きみがさみしく、ささやかに生きてきたって。ずっときみには、おだやかな夕ぐれしか、いやされるものがなかった。このことをはじめて知ったのは、四日めのあさ、そのとき、きみはぼくにいった。
「夕ぐれが大すきなんだ。夕ぐれを見にいこう……」

(2:50) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #6

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2006年6月26日 (月)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」5

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日に日にだんだんわかってきた。どんな星で、なぜそこを出るようになって、どういうたびをしてきたのか。どれも、とりとめなくしゃべっていて、なんとなくそういう話になったんだけど。そんなふうにして、三日めはバオバブのこわい話をきくことになった。このときもヒツジがきっかけだった。この王子くんはふかいなやみでもあるみたいに、ふいにきいてきたんだ…。「子どものみなさん、バオバブに気をつけること!」

(6:30) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #5

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2006年6月19日 (月)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」4

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こうして、だいじなことがもうひとつわかった。なんと、その子のすむ星は、いっけんのいえよりもちょっと大きいだけなんだ!といっても、大げさにいうほどのことでもない。ごぞんじのとおり、ちきゅう、もくせい、かせい、きんせいみたいに名まえのある大きな星のほかに、ぼうえんきょうでもたまにしか見えないちいさなものも、そのなん百ばいとある。たとえばそういったものがひとつ、てんもん学しゃに見つかると、ばんごうでよばれることになる。〈しょうわくせい325〉というかんじで…。

(7:23) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #4

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2006年6月 8日 (木)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」3

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その子がどこから来たのか、なかなかわからなかった。まさに気ままな王子くん、たくさんものをきいてくるわりには、こっちのことにはちっとも耳をかさない。たまたま口からでたことばから、ちょっとずつ見えてきたんだ。たとえば、ぼくのひこうきをはじめて目にしたとき(ちなみにぼくのひこうきの絵はかかない、ややこしすぎるから)、その子はこうきいてきた…

(4:52) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #3

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2006年6月 1日 (木)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」2

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それまで、ぼくはずっとひとりぼっちだった。だれともうちとけられないまま、六年まえ、ちょっとおかしくなって、サハラさばくに下りた。ぼくのエンジンのなかで、なにかがこわれていた。ぼくには、みてくれるひとも、おきゃくさんもいなかったから、なおすのはむずかしいけど、ぜんぶひとりでなんとかやってみることにした。それでぼくのいのちがきまってしまう。のみ水は、たった七日ぶんしかなかった…

(7:49) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #2

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2006年5月25日 (木)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」1

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ぼくが六つのとき、よんだ本にすばらしい絵があった。『ぜんぶほんとのはなし』というなまえの、しぜんのままの森について書かれた本で、そこに、ボアという大きなヘビがケモノをまるのみしようとするところがえがかれていたんだ。だいたいこういう絵だった。
「ボアというヘビは、えものをかまずにまるのみします。そのあとはじっとおやすみして、六か月かけて、おなかのなかでとかします。」と本には書かれていた…

(4:26) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #1

青空文庫
※テキストとイラストは、上記で御覧になれます。
翻訳を無料で公開して下さっている大久保ゆうさんに敬意を表します。ありがとうございます。
大久保さんのホームページはこちら





星の王子さま

Book
星の王子さま

著者:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

販売元:平凡社

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2006年5月24日 (水)

サン=テグジュペリ「あのときの王子くん」L.W.への献辞

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こどものみなさん「星の王子さま」の大久保ゆうさんの翻訳がaozora blogでスタートしました。定期的にアップされて行くようです。このテキストを無料で公開してくださっています。感謝です。僕は、この本をこうして読める事をとても嬉しく思います。僕が大学の頃だったかな、この本を改めて読んで「大切なものは目に見えない」という言葉に出会い。とてもほっとした事を思い出します。そして、僕はこどもが生まれた時に、歌を作って、そこにこっそりこの言葉を入れました。「答えは見えないものの中にあるさ」ってね。僕が何かの役に立てるのなら、僕は喜んでこの本を朗読します。こどものみなさん、聞いて下さい。
まずは、献辞から。

「子どものみなさん、ゆるしてください。ぼくはこの本をひとりの大人のひとにささげます。でもちゃんとしたわけがあるのです…」

僕は、この献辞を読みはじめてすぐに、大久保さんの翻訳がとても好きになりました。語り言葉としてとてもすぐれている訳だと思ったからです。いえ、そんな堅苦しい事ではなく、単純に心に響いて来たからだと思う。そんな訳をされた大久保さんの考えはここで読む事ができます。興味のある人は読んでみて下さい。それでは、はじめましょう。「あのときの王子くん」

(1:52) Antoine de Saint-Exupery, Le Petit Prince #0

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