宮沢賢治「革トランク」

斉藤平太は、その春、楢岡の町に出て、中学校と農学校、工学校の入学試験を受けました。三つとも駄目だと思っていましたら、どうしたわけか、まぐれあたりのように工学校だけ及第しました。一年と二年とはどうやら無事で、算盤の下手な担任教師が斉藤平太の通信簿の点数の勘定を間違ったために首尾よく卒業いたしました。
(こんなことは実にまれです。)
卒業するとすぐ家へ戻されました…。
(解説)
この短編は、宮沢賢治自身を投影していると言われています。すなわち、自分と父の関係を。
賢治は父と意見が分かれ、逃げる様に東京に行き、妹トシの病気を聞き、家に大きなトランクをもって帰ります。中身は、東京で書きためた原稿用紙があふれんばかり・・・。一月に3000枚も書いた時期であったと言う。
物語の最後の父親の態度が賢治に対する父親の態度であったのでしょう。
その辺りのお話は、こちらで読めます。
↑30秒すぐに試聴できます。
宮沢賢治「革トランク」全1回。
(10:57) Kenji Miyazawa "Leather trunk"
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